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今日のにっこりひまわり

偉いひと〔5801〕2019/03/04

2019年3月4日(月)雨

白川静先生のことを知ったのは、もう、かなり昔になる。宮城谷昌光さんという作家が登場し、その中国古代を題材にした作品にインパクトを受け、その題材のネタ元になっているのがどうやら白川静先生の学問らしい、と知った時のこと。

そして、その超人的な仕事と成果に驚き、こんなすごい人間が居たのか、と、感動したのが始まりでした。

 

まず、読んだのが「漢字」。岩波新書なので読みやすい。漢字の成り立ちと、その思想背景社会背景について、独自の視点で掘り下げていく。それまで通説とされ、誰もが疑わなかったような大学者の説を正面から批判することも厭わない。そしていつしか、白川漢字学というジャンルを成立させていった、白川静先生。

 

なんで突然こんなこと書き始めたかと申しますと、こないだ本屋さんで、こんな対談本を見つけたから。「呪の思想」。白川静先生と梅原猛さんの対談本。これは読むしかないではないか。面白くない訳が、ない。

梅原猛さんの本は、高校生の頃からよく読んでました。批判もあるけど、ああいった発想と想像とエネルギーはすごいと思います。

 

で、「呪の思想」では、当時もう90歳を超えておられた白川静先生の、とんでもなく明晰で示唆に富んだ話が展開されてて圧倒されます。

もう亡くなって13年にもなるのか。僕が知っている白川先生は、ご高齢なのに凄まじい生産力で「知」を吐き出してくる人物、といったイメージでした。

 

「呪の思想」がきっかけになり、久々にネットで「白川静」を検索してみたら、すごかった。立命館大学に「白川静記念 東洋文字文化研究所」ができてて、そこで白川先生の事績などが紹介されていた。しかも。

そこでは、1999年12月に日本経済新聞で掲載された、白川静先生の「私の履歴書」を読むことができるようになってました。早速、昨日の日曜日、読みました。改めて、その人間としての凄さを実感できた、稀に見る「私の履歴書」。

 

読んで頂くとわかるけど、小学校を出てすぐに働き始めた少年が、読書、学問に目覚め、そして自分の学問を確立していく過程が、すごい。もうね、「すごい」という形容詞しか出てこんくらい、すごいのである。

 

この私の履歴書に、「高橋和巳君の「わが解体」が出て、私のことについての伝聞を記している」とある。自分のことだから具体的に書いてないけど、これは有名な話。学問の道を突き進む人物の邪魔は、学生運動の闘士たちにもできなかった。

 

この、字源辞書である「字統」や「字通」を、ただ一人で編纂し、つくりあげたのが白川静。

東洋文字文化研究所のホームページからは、なんと、白川先生が読み解いた甲骨文字や金文のフォントがダウンロードできるようになっているではないか。広く公開するものに使うことはできんのですが、一人で悦に入るには十分。

 

この白川先生の学説が正しいのかどうかは、僕は知らない。でも、古代中国の甲骨文や青銅器に刻まれた文字を、ただひたすらトレースしながら、その成り立ち、思想、社会背景を考えるという気の遠くなるような作業を、膨大な古典の知識を背景として行い続けた知の巨人として、尊敬するしかない人物であるのは間違いない。

地道に、強烈に、絶対に諦めないで、自分のやるべき仕事をやり、つづける。そんな簡単そうで難しい、とても大切なことを教えてくれます。僕も、やるべき仕事をやり、つづけよう。


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